ブラームス
作曲(1861年)
ピアノ四重奏曲第1番ト短調Op.25
「ジプシー風」の終楽章を含め、全曲ドラマチックに激しく燃える。シェーンベルクも非常にこの曲を好み管弦楽版を書いているが、その理由のひとつに原曲は「Pfが燃えすぎるとうるさくて弦が聞こえなくなる(だから編曲した)」というコメントを残している。要注意。
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ブラームス
作曲(1865年頃)
弦楽六重奏曲第2番ト長調Op.36
A-G-A-H-EやA-G-A-H-Dの音名による旋律を第1楽章に織り込むなど、作曲の数年前に経験したアガーテ嬢との失恋の思い出に捧げられたとも言われるもの。第1番よりも演奏機会は少ないが、30台初頭とは思えぬ腕の冴えが第1番を凌ぐ音楽の深さを作品に与えている。
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チャイコフスキー
作曲(1871年)
弦楽四重奏曲第1番ニ長調Op.11
計画された演奏会のために短期間で準備された作品。全編ロシア風味を押し出した作品となっているのは、聴衆を意識した曲の成り立ちからかもしれない。第2楽章が「アンダンテカンタービレ」として独立して非常に有名だが、他楽章も悪くない。
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スメタナ
作曲(1876年)
弦楽四重奏曲第1番ホ短調「我が生涯より」
自らの半生と耳が聞こえなくなった様子が描かれる自伝的作品。第1楽章は芸術への熱い思いと不安、第2楽章は若い頃に得意だった舞踏音楽、第3楽章は妻の思い出、そして第4楽章では民族音楽で生きる道を見つけた歓喜が最高潮に達したところで耳鳴りの描写と言われる高いE音が1stvnに登場し、そのまま暗く終結する。
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ヤナーチェク
作曲(1877年)
弦楽のための組曲
多彩な顔ぶれの6曲よりなる。後年の独創性とは無縁の20台での作品で、スラヴ風、ドイツ後期ロマン派風など、さまざまな様式の混在に当惑する人も多い。作曲者は当初バロック風の組曲として各曲に「サラバンド」などのタイトルを与えていたが、あまりに関係性が薄いため最終的に落とした、という経緯あり。
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グリーク
作曲(1878年)
弦楽四重奏曲第1番ト短調Op.27
しばらく前まではこれが唯一の弦楽四重奏曲ということになっていたが、長らく未出版だったへ長調作品が市民権を得たのに伴い、第1番という名称が定着した。以前の歌曲からとったテーマで全曲が統一される。横溢する北欧色から「ノルウェー四重奏」とも。重音の多さが音程的に厳しい。
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ブルックナー
作曲(1879年)
弦楽五重奏曲ヘ長調
交響曲第5番と相前後して書かれた。ブルックナー的な響きを楽しめる重厚な曲。臨時記号多く、音程を合わせるのに一苦労。第2楽章スケルッツオについては、完成後に演者の希望で置き換え用としてより易しいインテルメッツォ(間奏曲)が書かれているが、結局定着しなかった。
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フォーレ
作曲(1879年)
ピアノ四重奏曲第1番ハ短調Op.15
ブラームスの影響色濃い4楽章曲。第1楽章のテーマは後にダンディの「フランス山人の歌」交響曲にも使われている民謡に基づくもの。長調で明るく終結する。フランスの近代室内楽黄金時代の幕開けを告げるという意味で大事な作品。1883年改訂。
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ブラームス
作曲(1882年)
弦楽五重奏曲第1番ヘ長調Op.88
3楽章スタイルによる、Vla五重奏ジャンルを代表する名曲。中間楽章は破棄された初期のピアノ曲から旋律を転用したもので、実質的なスケルッツォ。ブラームス特有の2拍子・4拍子系と3拍子系のリズムが交錯する輝かしい第1楽章、その名も「アレグロ・エネルジーコ」の第3楽章含め、決して簡単ではないが全編活力に満ちた充実作。
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フォーレ
作曲(1886年)
ピアノ四重奏曲第2番ト短調Op.45
大柄なのになんとなく燃え切れないソナタ第1楽章に続く第2楽章はPfの細かい刻みの上に旋律が乗るフォーレらしいスケルッツォ性格の曲。第3楽章は村の鐘を聞いて書いたと作者が語っている美しいアダージョ。ビオラパートが嬉しい。そして第4楽章はPfの勢いに全員がついていく。いろいろな意味でフォーレらしさが横溢する名曲。
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ブラームス
作曲(1890年)
弦楽五重奏曲第2番ト長調Op.111
もともとは第4番の次の交響曲として構想されたとも考えられているもの。ブラームスは本作の出版時に「これにて作曲はおしまい」というコメントを残している。非常に苦労して完成させ作者に霊感の衰えを痛感させた曲というが、艱難辛苦の痕跡は無い。
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チャイコフスキー
作曲(1890年)
弦楽六重奏曲ニ短調Op.70「フィレンツェの思い出」
イタリア旅行の印象に基づくもの。イタリア臭はあまり無し。作者最晩年の作で、ブラームスの場合と同様、弦楽四重奏よりは合わせやすいかも。Vcは難しい。4楽章よりなる。オケ的な書法も手伝ってか、弦楽合奏で演奏されることも多い。
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